もっと具体的にPOSシステムを見ていくと、さまざまな機能があることがわかります。レジとしての機能よりも、こちらが重要であるかもしれません。さまざまな機能があるということは、それだけ人件費の削減ができるということです。例えば、レジを締めるとします。既存のレジスターであれば、売り上げを集計し、レシートを打ち出して突き合わせを行わなければいけません。交代時に必ず行っていたような作業も、POSシステムなら必要がなくなります。お店を閉めるときに、1時間かけて行っていた作業がなくなることを考えると、1カ月で相当な人件費が削減できるでしょう。また、手で打つよりも確実で、間違わないということも重要なポイントです。レジの誤差はよくあることですが、これを防ぐことができれば、損失も減らすことができるでしょう。突き合わせに掛ける時間もなくなり、ここでも人件費削減ができます。経営戦略的にさまざまな情報分析ができるということも大きなポイントです。時間をかけて分析していたことが、瞬時におこなえます。リアルタイムで管理することができますので、必要な時に必要な情報を引き出せるのは効率的です。ここでも管理に掛ける時間が減るのですから、人件費削減に大きな効果を発揮することになるでしょう。
多機能で便利なPOSシステムですが、導入には必ずコストがかかります。端末と管理ソフト、データベースがなければ成立しません。クラウド化させる方法もありますが、既存のレジスターより高額になることは間違いありません。人件費削減に大きな効果を発揮することができる大きな店舗であるほど、その効果は間違いなく出てくるでしょう。しかし、もともと2人でやっている小さなパン屋さんだったとします。ここにPOSシステムを導入しても、それほどまでの効果を発揮させることはできません。なぜならば、減らすことができるほど人件費がかかっていませんし、入力する情報もそこまで多くないでしょう。データベースをつくっても、分析するほど複雑な情報を必要とすることがないからです。天候や季節に左右されにくく、在庫管理もほとんど必要がない以上、POSシステムの導入コストが足を引っ張りかねない例といえるでしょう。こうした店舗であれば、既存のレジスターを利用するほうが得策です。それでも、多店舗化しているパン屋であれば、話は変わってきます。商品数も増えますし、売れ筋などの分析も必要でしょう。多くの情報を得ることで見えてくることがありますし、アルバイトなどの人件費やミスによる損失も減らすことができるのですから、コストをかけても得られるメリットが大きくなります。POSシステムを導入するのであれば、その目的をはっきりと見極めることにあるでしょう。流行りものだから導入したほうがいいものではありません。どのような理由で必要なのか、どのようなことに使いたいのか、その効果を見極めながら、どこまでの範囲で導入を進めていくのか検討してみるといいでしょう。保守費用なども掛かりますので、要件がしっかりしていれば、その回数や頻度も見極められるようになり、ランニングコストの削減にもつながります。
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