会計を行う時に使用するレジには、主に電子レジスターとPOSレジの2種類があります。 ここでは、電子レジスターとPOSレジの違いや、POSレジの機能についてご説明します。
POS(point of sales)とは、店舗で販売する商品の販売情報を記録し、集計したデータをマーケティング材料に活用するシステムのことで、日本語で「販売時点情報管理システム」と言います。
レジの誤操作や従業員の不正を防ぐ目的で作られたこのPOSは、アメリカ合衆国で開発され、1970年の中頃に日本での導入が開始されました。
現在では、小売業や外食業などを中心に、幅広く使用されているシステムとなっています。
電子レジスターの機能は「商品の販売額を計算し、記録すること」と、非常にシンプル。 商品の売り上げ情報をジャーナル(会計)に印字し、内部の計算機に一定期間の売り上げを記録することができます。
機能としては、レシート(売り上げ明細書)を発行する機能や、どの商品がどれくらい売れたかを印字できるレポート機能、部門管理機能、単品管理機能、釣銭計算機能、自動釣銭機能、割引・割増機能などが備わっています。
価格はリーズナブルで、安いものだと1万円程度。家電量販店などでも販売しているため、比較的手軽に購入することができます。
POSレジは、電子レジスターの機能に加えて、商品ごとの管理、顧客管理、売り上げデータ分析システムとの連動など、さまざまな機能が搭載されています。ここではその中の一部をご紹介します。
・販売管理
POSレジは売り上げデータをサーバーで集計するため、インターネット上であればスマートフォンやタブレットなど、どの端末からでも売り上げデータを見ることができます。また、データのバックアップも自動で行われる為、データ保管に関しても簡単かつ安心です。
POSは、複数店舗の売り上げや在庫状況を、本部で一括管理することが可能で、店舗運営に有効な機能を搭載しています。複数店舗の売り上げを一括管理することで、業務の効率化やスタッフの不正防止などにも繋がります。
売り上げ管理はもちろんですが、商品の仕入や在庫管理をするための機能も搭載されており、商品の適正な在庫量の維持にも役立ちます。
また、商品ごとに売り上げを入力処理することで、お店でどの商品が人気なのかを把握することができます。
・在庫管理
アパレル店などの小売業では、商品の在庫管理は特に大切です。
POSレジに搭載されている在庫管理発注点(指定の数量を下回った場合に発注する在庫水準)の設定機能を使うと、発注をするべきタイミングが分かりやすく、人気商品の在庫切れや過剰仕入などを防ぐことができます。
・顧客管理
美容サロンのリピーターを増やすために、顧客管理はとても大切。お客様から予約やお問い合わせをいただいたときには、すぐに対応できるよう予約状況が整理されている必要があります。POSレジの予約管理システムを使えば、予約管理を簡単に行うことができるだけでなく、予約状況を一覧で見ることができます。顧客管理をしっかりと行っていれば、以前来店したお客様の情報を基に、新しく施術をおすすめすることもできるようになるでしょう。
また、お客様の情報を管理するために必要な顧客管理表も、POSレジに搭載されているクラウド型のシステムを利用することで、簡単に作成することができます。
顧客管理表はエクセルで作成することも可能ですが、お客様の数や情報は日々増えていきます。多忙な業務の中で、日々増え続けていく情報を入力、修正、管理していくことは非常に大変な作業です。
・入力操作が簡単
電子レジスターでは商品金額や個数をテンキーで入力する必要がありますが、POSレジでは商品登録によるタッチパネル操作や、商品バーコードの読み取りができます。そのため、レジにかける時間が短縮され、お客様の待ち時間を減らして接客業務に時間をかけることができるので、サービス向上にも繋がります。また、テンキー入力に比べて操作が簡単なことから、入力ミスを減らすことも期待できます。
・クレジットカード決済機能が備わっている
通常の電子レジですと、クレジットカードリーダーがついておらず、レジとは別にカードリーダーを設置する必要がありますが、POSレジでは、レジ本体でクレジットカード決済ができます。
一般社団法人日本クレジット協会の調査(平成25年3月末発行枚数)によると、成人1人あたり3.1枚のクレジットカードを所有しているというデータが発表されており、クレジットカードを日常的に活用されているということが考えられます。クレジットカードを所有している人は、現金を多く持ち歩かないことも多いので、クレジットカードが使用できないことで、購入機会の損失につながってしまう可能性が高くなります。
このような購入機会の損失を防ぐためには、クレジットカード機能は必要だと言えます。
POSレジには、電子レジスターにはないさまざまなメリットがあります。売り上げの計算だけでなく、今後の店舗運営に活かせる機能が多くあるので、レジを導入しようと考えている方は、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。
・ハンディや注文システムとの連動
飲食店の場合、ハンディや注文システムの導入はした方がよいでしょう。
注文を手書きでメモするというやり方は、注文内容を書き間違える、厨房側へ注文内容が正しく伝わらないなど、ミスが起こる可能性が非常に高くなります。
ハンディは、お客様から注文を受けたときに、その場で注文されたメニューのボタンを押せばその内容が厨房に伝わるので、ミスを減らすことができます。また、客席と厨房を行き来する必要がなくなるので、時間短縮にも繋がります。
コストを減らすために、導入をしたくないと考えている方もいるかもしれません。しかし、「注文した料理が来ない」、「頼んでいない料理が来た」などのクレームは店の評判を落とし、売り上げ不振に繋がります。導入するときにかかる費用のことだけでなく、店の今後について考えることが大切です。
このように、POSレジには計算機としてのレジ以外に、店の業務を効率化するさまざまな機能が搭載されています。機種によっては機能が多すぎて逆に使いにくいということもあるので、POSレジの導入をする際は、自分が開く店に必要な機能は何なのかをよく考えるようにしましょう。
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